富士吉田出身、現在スウェーデン在住ケイゴマンのコラムです。
初デートは富士急ハイランド
突然だけど、酔っ払いの3人に絡まれて、コラムを書くっていうことになった話をしようかな。
3人は、このサイト(ハタ印)を運営してるんだけど、
地元で生まれて、この街で育った人からの声が聞きたい!っていうことをだいぶ酔ってから話てたから、こっちとしては、明日覚えてるの?って感じだったんだけど。
実際覚えてたねぇ。
自分が生まれた街のことを書くのか。
な、なんか、は、はずかしいぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!
長年連れ添った嫁に「君の箸の持ち方にとても愛おしさを感じていたんだ、愛してる!」とかいっても気持ち悪いよね。そういうのって胸の奥にしまって置いたりするもので。
空気みたいな存在ってよく奥さんを表現するのと一緒で、あんまり意識するっていうことがなかったよね、地元を。大学生になって、地元を離れて見て初めてわかる良さってあるじゃない。
富士吉田あるあるだとさ。新宿のバスターミナルからさ、高速バスに乗って、都留市すぎたあたりで、富士山が「バーン」って見えて。「あ、俺、地元に帰って来たなぁ。」ってめちゃくちゃ感じるのよね。
恋愛でいったらフラれてはじめて大切さに気づくパターンだよね。地元の大切さってだいたいさ。
普通の高校生だった自分
本当に住んでるところを「街」っていう単位で意識してなくって。
自転車で行けるところが全てだった。
毎日自転車に乗って、学校に行く。(ちなみに僕は河口湖高校なのだ。)20分の道のりをどれだけ短縮できるかとか、坂が多いから足をつかないでどうやって帰ってくるとか。
学校、部活、家、たまに恋愛っていうサイクルでしか生活してなかったなって。
学校から富士急ハイランドが近くて、学校の授業中に絶叫する声が聞こえたりなんかしてた。
近いからこそね、中高生がハイランドで初デートなんかするわけですよ。(僕もその一人)
富士急ハイランド駅口で待ち合わせなんかして、デートスタートって感じで。
今の絶叫推しのハイランドからは想像もできないわけのわからない乗り物もたくさんあって、それこそがハイランドだった。ローターっていう円柱型のマシーンの中に入って、ただマシーンがぐるぐる回って遠心力を楽しむっていう乗りものがあったり、ゾーラっていうシューティング系の乗り物があって、最後に出てくるワニに当てると1000点っていうウワサを信じてうちまくってた。
怖い系のアトラクションもできたばっかで。戦慄迷宮の一番はじめのやつだったかな。怖いのはそっちのけで、どういう風に手をにぎればいいのかっていうことを考えてた。
一通り楽しんだ後ってさ。ほら、デートのお決まり。中高校生の男女だったら乗るでしょ。観覧車に!!!僕もそのうちの一人。
ハイランドの観覧車ってすごくよくって。とにかく景色がいいの。富士山が目の前だし、何より自分たちの街が一望できてさ。高い建物はないし。西日もちょうどいいんだよ。そうするとね、ムクムクと抑えきれない衝動が心から湧き上がったんだよなー。
チューしたいって。
だんだんと僕らが乗ったゴンドラが一番上に近づていくにつれて、鼓動が高鳴ってく。
言い出す勇気を固めていく。
「一番上に着いたらいうんだ」「一番上に着いたらいうんだ」「一番上に着いたら」
気づいたら下降してた笑
ところがどっこい!!ここが自分の生まれた街のいいところでたまたまねーちゃんの友達がバイトしてたんだよね。
観覧車内から、ねーちゃんの友達に人差し指を高らかにあげたの。
もう一周!!!!
結局、言い出せずにまた下降したけどね。
最高のシチュエーションだろうが、高校生ってこんなもんだよね。ねーちゃんの友達は、僕が何回も頼むもんだからすごく笑ってたっけなぁ。
自分はどこにでもいた高校生で、街のことなんてなんにも考えてなかった。学校の授業とかであったとしても表面的で。僕にとっては、学校と家と部活と恋愛がすべてだったんだな。
でも、社会人になって、10年間働いて、なぜか今はスウェーデンにいて。ずいぶん、街との関わり方もかわっていったように思う。そして、ずいぶんとおじさんになった。ほんとうにたくさんのことが起こったのだよ。さて、これから少しずつこの10年間の出来事や移ろいを主観的にかいていくよ。願わくばみんなにも楽しんでもらえるように。
ちなみに、地元では富士急ハイランドは決して「富士急」とはいわない。みんな「ハイランド」っていう。だから、おじさんたちが「富士急ハイランドには誰もはいらんど。」って、サムいギャクを必ずいう。
スウェーデンにいると、そのギャグすらとてもいとしくおもえる。
あ、やっぱ、はずかしぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!