光織物有限会社と井上綾による
富士吉田発のテキスタイルプロダクトブランドkichijitsuが
できるまでとこれからのお話。
②非テキスタイル人間
東京造形大学テキスタイル専攻でアーティストかぶれを炸裂させ
そのままモラトリアム突入、大学院に入学した2010年。
2年目を迎える富士山テキスタイルプロジェクトに、今思えばあまりよくわかっていない状態で参加。
このプロジェクトは山梨県富士吉田市の織物会社(ハタヤ)8社と東京造形大学テキスタイル専攻の8名の学生が、
1社1学生と組んで生地の開発や商品を行うというものでした。
院に入ったのでそりゃ参加するっしょ!と参加したものの、
1期生の前年度の作品を見て、これは大のテキスタイル好き、大の素材好きが得意とするやつ!!!と身構える。
というのも、当時の私は盛大なアートかぶれであり、
そもそも横尾忠則に憧れてグラフィックデザイナーになりたいと思って美大に入ったという
根っからのテキスタイル人間ではなかったもので。
布を愛するテキスタイル人間を前にすると「せ、正統派だ〜!」と引け目を感じまくってしまう病気を患っていたからなのでした。
テキスタイル専攻で4年も過ごしたのにね。
院まで来て何を言っているのか。
さて、どうやってハタヤと学生を組み合わせるのか?
このプロジェクトは東京造形大学の教授であり、
自らも現役バリバリのテキスタイルデザイナーである鈴木マサル先生監修であります。
1社1学生の組み合わせは鈴木マサル先生の超独断と偏見で決まります。
しかし、このマサル先生の神の采配は約10年に渡り数々の奇跡のマッチングを生み出していくのです。
その話はまたどこかで…。
…話を戻して。
あたたかい春の日差しが眩しい5月頃(だった気がする)、
東京造形大学までハタヤさんにご足労いただき初顔合わせ。神の采配の時間です。
プロジェクト参加の院2年生4名は全員そのまま2年目も参加だったため各マッチングも継続。
新しく参加した1年生4名のマッチング発表と
ハタヤ各社の特色や製品の紹介、学生の作品紹介が行われました。
非テキスタイル人間は当時作った鮭の切り身のインクジェットプリントを紹介しました。
こんな鮭の切り身女とマッチングさせられるハタヤさんは…???
次回に続く。
この鮭の切り身は東京造形大学のある相原駅のいなげやで買って撮影しました。
炊き込みご飯にして食べた気がします。