2018.02.20

布好き女子もグッとくる!ハタフェス紀行


山梨ハタオリ産地・富士吉田市(通称:ハタオリマチ)で昨年10月7,8日に開催されたハタオリマチフェスティバル2017。山梨ハタオリ産地の総合ディレクターである高須賀活良さんが「ハタフェス楽しいから参加してみたらどうか」と声をかけたところ、なんと20名以上の美大生が集まってくれました!来る前からハタフェスの楽しさが伝わってるなんてすごいですね!

そして、今回参加してくれた武蔵野美術大学でテキスタイルを学ぶ美大生6名が、ハタオリマチフェスティバル(通称:ハタフェス)の見どころをまとめてくれました。各ハタヤさんが開いたワークショップの体験や展示会の様子などを、美大生ならではの視点で紹介してくれます!

富士の霊峰がそびえるハタオリマチ、山梨県富士吉田市

こんにちは、武蔵野美術大学テキスタイル専攻の宮下真由です!富士吉田市は、私が生まれ育った大切な故郷です。その場所で、なにやら楽しいイベントが開催されると聞き、これはお邪魔するしかない!とお手伝いさせていただきました。これから少しだけ、富士吉田市について紹介させていただきます!


富士吉田市は、富士山麓の標高800mという高い場所に位置する市です。なんと、東京スカイツリー(634m)よりも高い場所にあるんです!そのため冬はかなり寒く厳しく、しかし夏はかなり涼しく過ごしやすい土地なんです。都会の暑さにうんざりする夏、避暑地にオススメですよ〜!富士山の裾野にあるまちなので、富士山もより近くで見ることができます。私が参加したハタフェス2日目も、綺麗なお姿をバッチリ見せてくれました!

そして富士吉田市は、高い機織りの技術と甲斐絹を誇る機織りのまちです。まだ私が制服を着ていた頃もそういったお話は耳にしていたのですが、それが社会の教科書の中で読んだだとか、おじいちゃんが子供の時実家では……だとか、昔話かな?と思うようなものばかり。私自身お恥ずかしながら、完全に歴史の中のお話という認識でした。

しかし今回、ハタフェスにお手伝いとして参加してみて、認識がガラッと一変。全然昔話なんかじゃなく、今現在リアルタイムで、頑張ってくださっている職人さんが大勢いるのです!!しかし、高齢化を始め様々な問題があるのは事実で、あと5年したら織物が出来なくなってしまうかもしれない…というようなお話も耳にしました。富士吉田市に育てられた者として、なによりテキスタイルを学ぶ者として、なにかお手伝いしたいと強く感じました。手始めに来年までに少しでも成長し、またハタフェスをお手伝いさせていただこうと思います!富士吉田市は本当に魅力的な場所なので、ぜひぜひ遊びに来てください!

ニードルパンチ加工の山梨県織物整理

武蔵野美術大学の工芸工業デザイン学科テキスタイルデザイン専攻3年生の佐藤優佳です。学校で、織物や染物について日々楽しく勉強しています。山梨県が織物が有名だったとは知らなかったため、山梨県にはどのようなテキスタイルがあるのかなと、わくわくしながらハタフェスに参加させて頂きました!


イベントの中で山梨県織物整理さんを見学させて頂きました。山梨県織物整理さんは、約1万本の針で布を数度叩き、敷いた布の上に重なった別の素材を融合させるニードルパンチという加工が目を引きます。著名なメーカーも含む、さまざまなアパレルメーカーからのご依頼もあるのだとか。

ハタフェスでは、ニードルパンチワークショップを行っていたため、私も参加させて頂きました!ワークショップはとても和気藹々とした雰囲気。柔らかく真っ白なマフラーの上に、予め用意のしてあるさまざまなテクスチャーの端切れや糸を自由に選んで配置します。


透ける素材や艶艶とした素材などの変わり種もあり、素材がニードルパンチ加工をすることでどのように変化していくのか?どのように配置しようか?など考えながら制作していくことが楽しかったです。他の参加していた皆さんもじっくり考えながら制作しているご様子でした。配置し終えたら山梨県織物整理の皆さんにニードルパンチ加工を施して頂きます。機械の中を通すと変化していく素材たちや、目の前で職人さんが作業をしている様子を見ることができます。


手作業ではとてもできない加工を知ることができて、面白かったです。ありがとうございました!

オーガニックコットンの前田源商店

武蔵野美術大学の川本ちひろです。普段の制作では主に編みとフェルトを使って制作しています。富士吉田市には一度来たことがあり、もっとより産地のことを知りたいと思ったので今回ハタフェスに参加しました。今回前田源商店さんをお訪ねして、直接お話を伺いました。

オーガニックコットンとは化学肥料や殺虫剤、除草剤などを一切使わず、有機肥料をつくり、天敵の益虫などを活用して害虫駆除を行うなど昔ながらの手間ひまをかけた栽培方法で育て、認証された有機綿です。前田源商店さんでは科学的な処理を施さず、自然の風合いをいかし、綿本来の素材の柔らかさを失わないように商品化しています。

また、そのために草木染めを取り入れ、素材や風合いを残しながら、草木染め特有の季節や行程などのわずかな違いでいろどりの展開を広げてもいるそうです。前田源商店さんは、日本オーガニックコットン流通機構(NOC)というNPO法人にも加わっており、生産地の視察や後援活動などを通じ、作り手から使う側までのすべての人が安心で安全な方法で関わる活動を続け、製品を開発・制作しています。​​

舟久保織物×イイダ傘店トークショー

こんにちは!武蔵野美術大学在学の山田珠子です。舟久保織物の舟久保勝さん・イイダ傘店の飯田純久さんをお迎えした「産地の学校in富士吉田」のトークショーは、最終日のメインイベント!と言っても過言ではなく、立ち見するほど多くの聴衆に囲まれました。

国内でも数少ない舟久保織物さんのほぐし織りは、タテ糸に絵柄をつけてからヨコ糸を織るため、自然な糸のぶれが柄に生じます。そのためベタ塗りのように見える色面も、仮織の糸の跡が残り、柔らかな風合いになるのが特徴です。


そんなほぐし織りを用いて、イイダ傘店さんとの企画がスタートしたのは平成20年とのこと。その1〜2年前に、機屋間の紹介でお二人は出会ったそうです。YES/NOのインターネット発注と異なる直接対話が、新しいものづくりを生んだのでしょう。こうした産地と作家のバックグラウンドも知ることができるハタフェスは、総じてテキスタイル好きにたまらないイベントでした。さらにパワーアップするであろう次回が楽しみで待ち遠しいです!

超極細で織られる武藤のストール染め体験

こんにちは、武蔵野美術大学、テキスタイル専攻3年の横尾です。大学では織物を中心にテキスタイルデザインを学んでいます。ハタフェスの開催日が講評(課題の締切)4日前というぎりぎりの状況でしたが、織物の職人さんとお会い出来る貴重な機会と聞いて東京の学校をとびだし、この富士吉田市を訪れました。今回私はバスツアーで訪れた武藤さんと槇田商店さんについてレポートさせて頂きます。

はじめに武藤さんから紹介します。武藤株式会社さんは自然素材の超極細糸を使用した世界的にも注目されているストールの専門店さんです。

武藤さんの工場には製造に必要な設備がほぼ全て揃っており、糸を撚る工程から商品にするまでこの工場内で行われています。織物の設備が一つの工場に揃っているのは非常に珍しく、ストールだけに絞った製造工程だからこそできることです。武藤さんのストールの特徴はなんと言ってもめちゃくちゃ細い糸を使った繊細でとろけるような手触り…!自然素材にこだわった超極細糸で織られています。

細い糸で織ることは機械ではもちろん、手織りでも難しいことです。それを武藤さんの工場では整った設備と工夫で難しい超極細糸での織物を実現させています。

そしてハタフェス限定イベントということでワークショップにも参加させて頂きました!武藤さんのストールを自分で染めて世界に一つだけのオリジナルストールが作れるというワークショップです。青、黄色、赤の3色から選べると言うことで私は秋らしい黄色をえらんでみました。結んで絞ったりグラデーションで染めたり2色つかってグラデーションにしたりとすごく自由で悩んでしまいましたが、シンプルに黄色1色のグラデーションに挑戦しました。

染める前のストールを渡されたその時点でストールが綺麗すぎて染めるのを躊躇う程でした!そんな素敵なストールを世界に一つだけの色に染められるなんて非常に貴重な体験でした。

武藤さんの工場は皆さん明るくあたたかい雰囲気で、短い時間でしたが非常に居心地がよかったです!世界に通用する素敵なストールは素敵な工場と素敵な人々からできているんだな〜と思いました。

個性的な傘生地を織る槙田商店

2度目になりますが、武蔵野美術大学、テキスタイル専攻3年の横尾です。前回のバスツアーの続きで今回は槇田商店さんについてご紹介させて頂きます!

槇田商店さんは1866年創業の老舗で現在は服地、傘生地を主とした製造卸業をされています。槇田商店さんと言えば個性的な生地を使った傘です。ほかに見ない魅力的な布から生まれる傘は、槇田商店さん有する傘職人さんが作っており、生地から傘のデザインまで一貫して行われています。

工場にはたくさんのサンプルがあり、まさに宝の山でした!見たことのない可愛くて個性的な生地ばかりで何時間でも見ていられました。古いサンプルもきちんと保管されていて興味深いものばかりでした。

槇田商店さんの傘は濡らしちゃうのも嫌になるくらい素敵な生地で作られていて、傘という道具を大切にしたくなる魅力がありました。今は安価で使い捨てできるビニール傘を使う人が多いけれど、そんな中で大切にしたくなる傘ってとても素敵だなぁと思いました。槇田商店さんの傘、是非1度手にとって触って、魅力を知って欲しい傘です!

「組織の魔術師」宮下珠樹  テキスタイル展

武蔵野美術大学の小泉彩です。私がこのハタオリ産地を始めて訪れたのは2年前の大学の研修旅行で、2回目は昨年のハタオリマチフェスティバルでした。富士山を目の前に見えるこの産地でのイベントを、今年も楽しみにしていました。今回この産地3度目となる私は、宮下織物さんの宮下珠樹さんのお話と「宮下珠樹 テキスタイル展」の様子をご紹介します。


宮下織物さんは”組織の魔術師”と聞いていましたし、またどのような作品に出会えるか興味がありました。インタビューすることが不慣れで緊張していた私です。前もっていくつか質問を考えて展示会場へ。しかし予定変更です。テキスタイル展の会場に着いた時にすぐ、みたことのない生地と空間にハッとしました。

生地が額縁の中に

この展示会場をみて実際に気になったことを中心にインタビューすることに。作品のテーマはあるのか、宮下さんのインスピレーションの湧き方に関心を持ちました。『一環としたテーマは特に決めていません。草むらを走った時にこれを織物にしよう、岩を見ていてこれを織物にしたいとアイデアが浮かんで、常に20個ぐらいは頭の中につくりたいものがある』と宮下さん。『頭の中にあるアイデアに加え、つくったものたちからは作品の兄弟ができていく』とのこと。

こうして魅力的な作品が出来ていくのだと感動しました。インタビュー終わり『じっくりとやり続けることは大事』とおっしゃったのが心に残っています。インタビューしている間も、その後も、絶え間なく沢山の方がいらして、宮下さんと織物やワンピースを手に取りながら笑顔でお話していました。写真でけではなく本物をみることの良さを改めて実感。とても素敵な空間での貴重なお時間、本当にありがとうございました。
最後に。ハタオリマチフェスティバルのイベントの一つ産地の学校に参加した際に、なんと宮下織物さんの素敵な織物生地が当たりました!お話を伺った後の出来事だったこともあり、驚きと嬉しさでいっぱいになりました。

いかがでしたか?みなさんにハタオリマチでのたくさんの出会いや発見を存分に楽しんでいただけたようで、ハタ印としてもとても嬉しいです。また今年も是非ハタフェスに遊びにいらしてくださいね!


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