甲斐絹をよむ #02:蚕
2024年10月19日からふじさんミュージアムで「甲斐絹をよむ #02:蚕」が始まりました。本展は、2023年に富士吉田市で開催された「FUJI TEXTILE WEEK 2023」のデザイン展「甲斐絹をよむ」の続編として開催されます。幻の織物「甲斐絹」に焦点を当て、その背後にある美や文化、そしてそれらを培ったこの土地の人々の営みを探求していきます。特に今回は、甲斐絹の素材である「絹」、そして「蚕」に注目します。
絹糸を生み出す蚕は、一般的に「天」の「虫」と書かれますが、養蚕が盛んだった江戸時代のお札には「神」と「虫」を合わせて「神虫」と表記されることもありました。なぜこの小さな虫が神と結びついたのでしょうか? そこには6000年にわたる「虫と人との約束」とも言える関係や願いが隠されていました。
今回は、養蚕農家の芦澤洋平氏や、ふじさんミュージアム学芸員であり考古学研究者でもある篠原武氏を「読み手」として迎え、多角的な視点から蚕と人、絹と甲斐絹の歴史や関わりを紐解いていきます。絹に込められた命の物語を読み解くことで、甲斐絹が過去の遺産としてだけでなく、未来へと続く生きた織物であることを感じていただけることでしょう。
過去、現在、未来をつなぐ「絹」という生命の素材を通じて、織物を「読む」という新たな体験をお楽しみください。
▶︎読み手の紹介
芦澤洋平
150年続く芦澤養蚕の6代目。養蚕を未来に繋ぐ活動を幅広く取り組んでいる。
篠原武
ふじさんミュージアム学芸員。富士山信仰に関する調査や遺跡等の保護に取り組んでいる。
見どころのご紹介
《ミュージアム企画展室》
①富士山信仰と養蚕を結ぶ史料の展示
富士山の神様と養蚕の神様は同一人物⁉︎そんな史実を語る史料や人々と養蚕、そして富士山信仰がいかに暮らしに密接に関わっていたかを示す史料の展示を行います。
②当時使われていた実際の道具の展示
富士吉田市内ではかつて全世帯の80%以上の人々が養蚕を行い、繭から糸を紡ぎ、織物を行っていました。今ではあまり見ることが出来ない道具の数々を展示します。
③養蚕農家のドキュメンタリー映像
テキストお蚕と人間の関係を紐解くために、山梨県内で数少ない養蚕農家を営む芦澤養蚕の芦澤洋平さんに密着し、時代を超えて守ってきた6000年の約束に迫ります。
《旧宮下家住宅》
①実物の甲斐絹の展示
かつて養蚕も行っていた旧宮下家住宅で、幻の織物と言われた甲斐絹で実際につくられた羽織を15点展示します。
甲斐絹をよむ #02:蚕
会期:2024年10月19日(土)-2025年1月20日(月)
会場:ふじさんミュージアム(403-0032 山梨県富士吉田市上吉田東七丁目27-1)
開館時間:9:30-17:00 (16:30まで入館可)
休館日:毎週火曜日
観覧料:常設展 一般400円(320円)/小中高生200円(160円)に含まれる
※( )内は20名以上の団体料金
※会期中、常設展・企画展ともに富士吉田市民無料
※11月19日~26日、12月28日~1月3日は休業
主催:ふじさんミュージアム
Tel:0555-24-2411
URL https://www.fy-museum.jp
アクセス
・中央自動車道河口湖ICより車で10分
・東富士五湖道路富士吉田忍野スマートICより車で3分
・富士急行線富士山駅より山中湖方面バスで15分
(「ふじさんミュージアム パーク前」または「富士山レーダードーム前」下車