2022.11.22

FUJI TEXTILE WEEK2022 布の芸術祭


織物産地である山梨県富士吉田市を舞台にしたテキスタイルの祭典「FUJI TEXTILE WEEK 2022」が今年も開催されます。国内外のアーティストによるテキスタイルをテーマにしたアート展「織りと気配」と、産地の歴史や現代のテキスタイル シーンを紐解く産地の展示会「WARP&WEFT」の2つを組み合わせたハイブリッド展です。

産地展「WARP&WEFT」
– History of textile products in Yamanashi Region –

WARP&WEFTは、産地の過去から現在の系譜をダイナミックに体感いただく企画展です。会場では、産地の原点である甲斐絹の解説を始端に、 山梨産業技術支援センターが所蔵する明治から昭和初期に産地で織られた貴重な生地から、現在の織物工場が生み出すプロダクトまで、時代の 流れや社会の変容に合わせ進化した生地やプロダクトの変遷をご覧いただけます。

江戸時代に高級裏地の産地として名声を博した郡内産地は、時代の移り変わりと共にネクタイや服地、ストール、傘、座布団、その他ライフスタイル系のプロダクトまで、それぞれの工場ごとに製造の幅を広げてきました。ニーズに合わせて変容し続けている産地の意思とDNAを体験できる展示空間です。
 

一部のプロダクトは会場にて週末開館日のみご購入いただけます。本展でしか出会えない展示品の数々、そして代わる代わる在廊する織物職人との交流もお楽しみいただけます。また、産地や生地づくり、プロダクトに関するトークイベントなどのコンテンツも予定しています。

こちらの記事では、産地展「WARP&WEFT」に出展する織物職人さん達をご紹介します。

出品事業者の紹介 (五十音順)

(株)エルトップ
キュプラを使用した最高級裏地を生産しています。キュプラとは、コットンの種の産毛だけを集めて再生した日本でのみ製造可能なエコ素材です。キュプラの先染め裏地を常時数百種類ストックしており、注文すれば翌日届くスピーディーなものづくりをしています。ロゴを裏地に織り上げる等のオーダーも可能。今回はオリジナルジャケットブランドalpinoを展開しています。


(有)田辺織物

法事や仏間で使われるような座布団のカバーや、旅館で使われるような綺羅びやかな座布団のカバーを織っている、座布団専門の織物工場です。ジャカード織機を使って、金襴緞子やジャカード織物を製造しています。今回は、cocioroso干支座布団カバーを展開しています。田辺織物の商品はこちらでお買い求めいただけます。


(有)テンジン
オリジナルブランドのTENJIN-factoryやALDINを通じてリネンのすばらしさを世に伝えています。今回は特別にALDINのキッチンクロスを展示させていただきました。暮らしの様々なシーンに合うサイズでリネンアイテムを展開しており、良質な原材料を昔ながらの織り機を使ってふんわり織り上げ、染色・裁断・縫製・刺繍などを日本国内で小ロット生産しています。TENJIN-factoryの商品はこちらからカスタムメイドでリネンのアイテムをご注文いただけます。


(有)羽田忠織物
ネクタイ生産量日本一の郡内地域で、オリジナルネクタイブランド「HADACHU ORIMONO」を自社工場で仕立てています。国内では1軒しかないネクタイの紗織りや、シルクの持つ素材感にこだわったジャカード織りのネクタイを中心に、ネックウエアを展開。産地の職人さんと共に新しい生地の開発に取り組んでいる機屋さんです。HADACHU ORIMONOのネクタイはこちらからお求めいただけます。


光織物(有)
緞子の技術を元に、掛け軸に使われる表装裂地や和雑貨、雛生地などに使われる金襴緞子の製造を行っています。毎日が吉日をテーマに、昔から私たちの身近にある縁起のあることやものを生活に身近なプロダクトに提案している「kichijitsu」や、「ゆ MORE LIFE. 」をテーマに、いい湯に浸かるように日々が極楽気分になる
アイテムを提案している「IIYU TEXTILE」を展開しています。


フジチギラ(株)
糸や生地・製品の卸売業を行っている糸商社。糸から製品に至るまで、こだわりのある商品を提案しています。今回は、山梨県の特許技術「おひさまの光で暖かくなるテキスタイルグッズwarm farm(ウォームファーム)の中からブランケットを出展しています。産地で生まれたあったか商品をお探しの方はこちらのサイトをご覧ください。


舟久保織物
大正13年創業。一度仮織りした経糸に型染めを行い、タテ糸をほぐしてからもう一度織る超絶技巧「ほぐし織」を昔ながらのシャットル織機で製造しています。織り上げた生地は縫製して傘に仕立て、オリジナルのファクトリーブランド「harefune」も展開しています。今回は非常に高度な縫製技術も要するアーティスティックな傘を会場でご覧いただけます。


(株)前田源商店
国内外の厳しい審査をクリアしたオーガニックコットンのみを使用した織物を製造しています。ブランケットやタオル、靴下やストールなど、オーガニックコットンで作られたオリジナル商品が人気です。今回特別にセレクトしたテキスタイルをブランケットに仕立て、限定商品として展開しています。ネット通販も行っています。


(株)槙田商店
1866年、江戸末期創業。織物から傘の組み立てまで一貫して製造できる世界で唯一の工場です。服地を織る技術を生かした意匠性の高い織物の傘を製造。オリジナルファクトリーブランドとして、顔色を美しく見せる傘「kirie(キリエ)」の他、職人の手で一つ一つ丁寧に作られた傘を販売しています。


宮下織物(株)
1957年創業。ウェディングドレスを中心に、著名人のステージ衣装用の布としてセレクトされているきらびやかな織物を製造する機屋さんです。今回は新作として、オリジナルカットジャカードにプリントを施したテキスタイルシリーズ「シンゴッホ」をフリンジプログラムとして展示しています。


武藤(株)
「触れればわかる。」をテーマに、天然素材の持つ美しさや風合いにこだわった、極細糸で織り上げるストールを得意としている機屋さんです。オリジナルのファクトリーブランド「muto」として、ストールを製造しており、ネット販売も行っています。今回は、甲州印伝・シルク、2つの伝統から生まれたトレンチコートtrench coat 「I’」(アイ)も展示しています。


山崎織物(株)
シルクの糸を使ったネクタイやストールなどの商品を製造するテキスタイルブランド「富士桜工房」を展開しています。和の色合いが肌に合わせやすい自然素材のスカーフなど、日本の文化や心意気を表現する織物製品づくりに取り組んでいます。富士桜工房のネット通販はこちらを御覧ください。


渡明織物
最高級裏地の「キュプラ」に特化して裏地を製造する機屋さん。「疲れた身体にそっと寄り添えるような存在になりたい」という想いから生まれた、おうちで心地良く過ごせるウェアブランド「MEHOME(メホメ)」を展開しています。


(有)渡小織物
ネクタイ生産量日本一の山梨県富士吉田市で三代続くシルクネクタイ生地専門織物工場。小さな工場から高密度で重量感のあるトラッドなネクタイを生み出しています。今回はトークイベントも開催致します。


Watanabe Textile
デザインから織物まで、全てご自身で手掛けている渡邊織物3代目 渡邊竜康さんのテキスタイルブランドです。建築・写真・アートを創作の背景に持ち、自然素材を中心としたテキスタイルの新たな可能性を追求されています。今回はフリンジプログラムに作家として参加している他、アーティスト安東陽子さんとのコラボレーションも行っています。


渡辺機械
産地で2社しか存在しない、織機を直す仕事「織機番匠(ショッキバンジョー)」の渡辺機械さんからお預かりした織機のパーツを「産地のカケラ」と称して展示販売しています。何万とあるパーツが組みあがって織機となり、織物を織る。1つ1つのパーツを見るとそれ自体がとても個性的で、プロダクトとして面白い存在感があります。

産地の織物と出会える展示  TEXTILE LINK

会場内4階フロアでは、テキスタイルコーディネーターの森口理緒さんが「TEXTILE LINK」と称して、様々なジャンルのクリエイターやデザイナー向けに織物に関する相談に乗り、布の可能性を提案する場を提供しています。サンプル生地やマテリアルブック、テキスタイルの特性を活かした空間づくりやプロダクトの事例など、色々なアイデアの種を共にしながら、生地との出会い、産地との接点づくりのサポートを行います。


(株)川栄
世界のビッグメゾンなどにネクタイを提供している(株)川栄さん。長年培った自社でのデザインストックや、100年以上前のヨーロッパのサンプル集を駆使して常にお客様の求めるデザインを実現しています。若手スタッフも多く、次世代に向けネクタイの可能性を追求し続けています。

滝口織物
1958年(昭和32年)創業のマフラー・ストール・服地を織る機屋で、三代目の滝口昭一さんは、産地内で「ウール使いの魔術師」の異名を持たれているほどウールのマフラーに特化した機屋さんです。先染めチェックを得意とされていて、裏表が異なるテキスタイルや、表は普通のチェックなのに裏は糸が縮んだチェックなど、とっても不思議な風合いの布を作られています。

 


渡縫織物(株)
服地織物メーカーの老舗として、シルクの技術で培われた多彩でフェミニンな生地が魅力の会社です。デザイナーからの要望に合わせ、あらゆる糸を組み合わせた生地作りを得意としています。

【協力・出品事業者】※五十音順
(株)エルトップ、(株)川栄、滝口織物、(有)田辺織物、(有)テンジン、(有)羽田忠織物、光織物(有)、フジチギラ(株)、舟久保織物、(株)前田源商店、 (株)槙田商店、宮下織物(株)、武藤(株)、山崎織物(株)、渡明織物、(有)渡小織物、Watanabe Textile、渡辺機械、渡縫織物(株)

プログラム紹介 

01 – アート展「織りと気配」 

アーティストがテキスタイルを素材にした作品や、機屋との共同作業で作り出したユニークな作品が展示されます。そこには柔らかく、風でなび く作品や、あるいは不定形の形状をえがく作品が登場するでしょう。この展示を通して「堅固な形状を半永久的に維持するはずの彫刻」という 概念とは対極の、しなやかに変化し、ゆらぐ彫刻の可能性を追求します。それは柔軟に時代を生き抜く創造性の姿でしょう。テキスタイルと アートが織りなす新しい美の世界が作り出されます。 

「機屋共創プロジェクト」 
アート展の取り組みの一つとして産地の機屋とアーティストによる共同制作が行われます。 
織物の街、富士吉田市だからこそ実現する本プロジェクトを通して、テキスタイルとアートの役割や機能を問い、新たな可能性を探ります。

02 – 産地展「WARP&WEFT」

WARP&WEFT展は、産地の過去から現在の系譜をダイナミックに体感いただく企画展です。会場では、産地の原点である甲斐絹の解説を始端に、 山梨産業技術支援センターが所蔵する明治から昭和初期に産地で織られた貴重な生地から、現在の織物工場が生み出すプロダクトまで、時代の 流れや社会の変容に合わせ進化した生地やプロダクトの変遷をご覧いただけます。 

03 – フリンジプログラム 

事務局が選出したアーティストや建築家、デザイナーによる、新たなテキスタイルの使い方、表現、研究などの活動を紹介するプログラムです。

04 – トークショー

(公式ウェブサイトにて情報公開) 

FUJI TEXTILE WEEK 2022
会期:2022年11月23日(水)-12月11日(日)
期間中の水曜〜日曜日 *月火定休日
時間:平日 | 10:00 – 16:00 (15:30 受付終了)
   祝日・休日 | 10:00 – 17:00 (16:30 受付終了)
会場:山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域
観覧料:
アート展「織りと気配」:一般:1000円 (富士吉田市民入場無料)
産地展「WARP&WEFT」:入場無料
チケット販売:現地総合案内所(当日券)、および、公式サイトにて販売
公式サイト:https://fujitextileweek.com
Instagram : https://www.instagram.com/fujitextileweek
※新型コロナウイルス感染症対策については公式サイトをご覧ください。

WARP&WEFT
会場:山梨県富士吉田市下吉田3丁目5−16
   (Fab cafe fuji/渡東ビル 3F)

アート展ディレクター:南條史生
産地展ディレクター:高須賀活良
産地展 企画・制作:高須賀活良・合同会社OULO・株式会社トリッキー・森口理緒

協力:エヌ・アンド・エー株式会社 / 株式会社ロフトワーク / FabCafe LLP / 富士吉田織物協同組合 / 富士技術支援センター / Kornit Digital / 本町二丁目商店街 / 本町三丁目商栄会 / 本町大好きおかみさん会 / 株式会社渡東/ 他
協賛:FSX株式会社
プロジェクトに関するお問い合わせ FUJI TEXTILE WEEK 実行委員会

お問い合わせは公式サイトのコンタクトページからお願いします。


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    東京-(東名高速道路90分)-御殿場IC-(国道138号山中湖方面20分)須走IC(東富士五湖道路25分)-富士吉田IC
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    東京-(中央自動車道80分)-都留IC-国道139号線富士吉田方面20分