【REPORT】FUJI TEXTILE WEEK 2021
山梨県富士吉田市で「FUJI TEXTILE WEEK 2021」が開催されました。「織りと気配」をテーマにしたアーティストによるアート展「Textile&Art展」と機屋さんによる展示会「WARP&WEFT」で構成され、テキスタイルとアート融合から未来の産業とアートの新しい可能性を見いだす芸術祭です。
中心市街地の空き店舗や蔵、旧銀行などを舞台に、アーティストによる作品展示と16社の機屋さんによる織物が展示されていた他、スペシャルゲストのトークショー、ライブパフォーマンスなどのプログラムも開催されました。参加アーティストは、今井俊介さん、大巻伸嗣さん、奥中章人さん、郡裕美さん、児玉麻緒さん、高須賀活良さん、髙畠依子さん、手塚愛子さん、西尾美也さん、maison2,3さん(メゾン トゥ コンマ スリー)の10組です。
キュレーター・アーティスト・機屋による集合写真
「テキスタイル(織物)」を使用、あるいは想起させるものを条件に、それぞれの空間に合わせた作品を制作。アーティストのみなさんは事前に富士吉田市を視察し、「SARUYA Hostel」のアーティストインレジデンス機能を活用した滞在制作が進められ、うち5組は地元の機屋さんとの協働で新作に挑みました。
アート展「Textile&Art展」
製氷工場をギャラリーにリノベーションした「FUJIHIMURO」では、今井俊介さん、児玉麻緒さん、高須賀活良さん、maison2,3さんの作品が展示されていました。
maison2,3《EYE》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
高須賀活良《Memory》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
今井俊介《Untitled》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
児玉麻緒《在る織る》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
まちなかに出現するアート作品
作品のほとんどが中心街から歩いて巡ることのできる場所に設置されているため、富士山とともに各会場を巡ることができます。
奥中章人《INTER-WORLD/SPHERE》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
郡裕美《TSUMUGU》撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
高須賀活良《Species》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
手塚愛子《Loosening Fabric #6 100年―記憶の縫合》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
髙畠依子《CAVE》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
メイン会場である旧スルガ銀行の1階のホールでは、昼と夜とで表情を変える大巻さんの《トキノカゲ》が、屋上では、西尾さんが富士吉田市のエルトップで織られた「裏地」をテーマに作品を発表していました。
大巻伸嗣《トキノカゲ》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK西尾美也《裏地/裏富士》 撮影:吉田周平、提供:FUJI TEXTILE WEEK
機屋展示「WARP&WEFT」
メイン会場である旧スルガ銀行3階では、WARP&WEFT展が開催されました、1000年の歴史を持つ山梨ハタオリ産地のこれまでの歩みと、時代時代に掛け合わせされたアイデア、そこから生まれた生地やプロダクトを見ることができる展示空間です。産地がたどってきた布づくりの多様性や時間軸の長さと深さ、その生地やプロダクトが持つ空気感から、これからの産地やものづくり、未来につながる織の気配を体感できます。
デザイナーさんと織物工場が出会う個別訪問も
織物工場をめぐってクリエイティブな織り手たちに出会うことのできるプロ限定の山梨ハタオリ産地バスツアー2021も開催した他、デザイナーさんが織物工場への個別訪問するツアーなども開催しました。
スペシャルゲストトークの開催
アートディレクターの千原徹也さん(れもんらいふ)と建築家の谷尻誠さん(SUPPOSE DESIGN OFFICE)による「アートとデザイン」をテーマにしたFUJI TEXTILE WEEK 2021 スペシャルゲストトークも開催されました。ハタオリマチのハタ印からインスタLIVE配信も行いましたので、見逃した方はコチラから是非ご観覧ください。
いかがでしたか?これまでに無い、新たなハタオリマチの魅力を感じていただけたのではないでしょうか。
テキスタイルを中心とした地域資源とクリエイティビティを混交し、テキスタイルの創造・普及・活性・継承のためのクリエイションとネットワークを紡ぎ、富士吉田のアイデンティティーとテキスタイルの新たな魅力、可能性を発信する「FUJI TEXTILE WEEK 2021」。「様々な地方芸術祭の中で『産業に基軸をおいた芸術祭』はこれまでになかったと思う。これからの産業のあり方にはアートの視点が重要なのではないか」と本展ディレクターの南條史生さんはおっしゃっていました。
素晴らしい企画をしてくださった運営メンバーのみなさんに心から敬意を表します。
【運営】
実行委員長 八木毅
副実行委員長 杉原悠太
会計 小林純
■アート展
ディレクター 南條史生
キュレーター 沓名美和
コーディネーター 大木彩子、新居音絵
現地コーディネーター 八木毅、杉原悠太
■機屋展示会
機屋展示プロジェクトマネージャー 赤松智志
機屋展示ディレクター 高須賀活良
機屋展示コーディネーター 森口理緒
■開催概要
FUJI TEXTILE WEEK 2021 – 織りと気配 –
機屋展示「WARP & WEFT展」2021.12.10(fri) – 12.12(sun)
アート展「Textile & Art 展」2021.12.10(fri) – 2022.01.09(sun)
休場日:2021年12月13~15日 /12月20~22日/12月27~2022年1月5日
時間:10:00-16:00
会場:山梨県富士吉田市下吉田本町通りおよび地域の機織工場
機屋展示「WARP & WEFT展」住所
山梨県富士吉田市下吉田3丁目5−16(旧スルガ銀行)
観覧料:無料.
公式サイト:https://fujitextileweek.com/
※新型コロナウイルス感染症対策については公式サイトをご覧ください。
主催:FUJI TEXTILE WEEK 実行委員会
後援:山梨県富士吉田市
協力:エヌ・アンド・エー株式会社/株式会社ロフトワーク/FabCafeLLP/株式会社ワンオー/株式会社渡東/白百合釀造株式会社/本町二丁目商店街/本町三丁目商栄会/本町大好きおかみさん会/ハタオリマチのハタ印/合同会社新世界乾杯通り/株式会社かぎしっぽ/山梨県産業技術センター/富士学苑高等学校/(一財)ふじよしだ定住促進センター
※本プロジェクトは文化庁「上質な観光サービスを求める旅行者の訪日等の促進に向けた文化資源の高付加価値化促進事業」採択事業です