2021.11.10

【REPORT】HATAORIMACHI FESTIVAL 2021 -後編-


HATAORIMACHI FESTIVAL 2021 レポート前編に続きまして、後編もスタートです!まずは小室浅間神社で展開しているB TAN マーケットからご紹介させていただきます。

織物工場の倉庫に眠っている布を大放出!


BTAN マーケットとは、機屋さんが集まってちょっとした傷や間違いによって、表に出回ることができない布「B反(びーたん)」を販売している織物のマーケットです。装いの庭の藤枝大裕さんが企画し、杉原悠太さんがアートディレクションを手掛けています。会場に織物を積んだトラックで機屋さんが乗り入れ、工場直送のテキスタイルを販売しています。トラックには、各社の布が飾られているので、どんな織物を販売しているブースであるかがひと目でわかる、目でも楽しめるイベントです。



会場には、仏前座布団屋カバー専門店の田辺織物、ほぐし織の舟久保織物、舞台映えするテキスタイルの揃う宮下織物、金襴緞子の光織物、オーガニックコットンの前田源商店、裏地専門のエルトップ、服地のオヤマダ、そして富士吉田織物協同組合と、郡内産地の機屋さんたちが大集合!シルク、金襴緞子、高級裏地、ほぐし織、オーガニックコットンにシルクオーガンジーと、普通ではなかなかお目にかかれない高級織物で溢れていました。

機屋さんに「どこが傷なのですか?」と質問すると「ここのタテ糸が1本違うでしょ。これが傷」と丁寧に教えてくれます。郡内産地の織物は糸が髪の毛よりも細いので、タテ糸が1万本あることなんてザラなのですが、たった1本の糸を間違えてしまうだけで商品にならない、という現実があります。でも私たちからしてみたら「柄が可愛いければOK!」という布愛があるので、ヨダレが出るほど手に入れたい布のお宝にしか見えませんでした。

素敵なコラボのハタフェスの見どころ


会場では、亀山達矢氏と中川敦子氏によるクリエイティブ・ユニットtupera tupera(ツペラ ツペラ)が手掛けるめちゃくちゃ可愛いおさるさんの台紙「おさるのビータン」にくるまれたハギレも販売されていました。tupera tuperaは、絵本やイラスト、テレビや舞台での美術制作やアートディレクションを手掛けるめちゃくちゃ人気の作家さんです。「かおノート」は子どもたちから大人気の絵本シリーズなので、ご存知の方も多いかと思います。

他にも、岡本屋さんにハタオリマチの生地を持っていくと、自分の足にピタッとハマるルームシューズに仕立ててくれる、商店街と機屋さんによるコラボレーション企画も行われていました。こちらのオーダーシューズサービスはハタフェスだけの特別価格として提供されていました。

機屋さんの廃材を使ったSDGsな商品

オヤマダさんではシルクオーガンジーを織る時に出る廃材“織物の耳”を使ったSDGsな商品も並び、会場は盛り上がっていました。


と、ここで事件発生!!!

ある機屋さんの展示台が、織物の重さにバランスを崩して倒れてしまいました!!そこですかさず手を差し伸べたのが、周りの機屋さんや市役所職員さんやボランティアスタッフのみなさん。ものの数秒で10人以上が駆けつけ、足も新しいものと交換されて、あっという間に元通り!みなさんの仲の良さと人柄が現れた瞬間に、思わずシャッターを切ってしまいました。




みんな優しい…!左から光織物さん、槇田商店さん、オヤマダさん。



富士吉田織物協同組合では、鈴木マサル氏デザインのノートの他、さまざまなハタオリグッズが販売されていました。ハタオリマチのハタ印のSNSをフォローしてくれた方には、産地の織物で出来たくるみボタンもプレゼントしていました!


大人気のFOODや雑貨コーナーで楽しめるお買物

はらぺこな私たちは美味しい匂いに誘われて、ふらふらとFOODエリアへ。大人気のAKITO COFFEENODO二川伊料理店sun.days.food月ノ歩キカタamijokcafe織水il st bibitoneなどのお店に、お客様が長蛇の列を成していました。ハーブとホップで作ったビールなどもあって、会場はとってもにぎやか!ハタフェス特製の手作りベンチに腰をかけて腹ごしらえをしていると、知らぬ間に着替えたハタ印スタッフの姿が。こちらのエリアには洋服や雑貨、小物から日用品まで様々なショップがお店を出していました。どのお店も商品のセレクトがとってもオシャレで、企画者のセンスの良さが漂います。商品のハンモックに揺られる子どもたちも気持ちよさそうでした。


サンチカンマッチトークの開催も!

桐生産地と山梨産地の交流を目的として取り組んでいる「桐生×富士吉田市のサンチカンマッチ!」の中で、「第2回桐生×富士吉田のサンチカンマッチ!」と題して、2日目の11:00から中央まちかど公園にて、トークプログラムが開催されました。



桐生と富士吉田、2つの産地の出店者同士が交流しながら取り組みを紹介するトークイベントです。司会進行は、郡内産地を知り尽くした渡小織物の渡辺太郎さんと、装いの庭の藤枝大裕さんです!

まずは、ふふふ桐生の和崎拓人さんと富士吉田地域おこし協力隊の森口理緒さん、そして装いの庭の藤枝大裕さんによるオープニングトークがスタート!そして、MEHOME WEAR×OLNによるトークセッションや、ネクタイ屋さんの羽田忠織物と染色を主体としたブランドの桐染によるクロストーク、傘屋さんの槇田商店と刺繍アクセサリー屋さんるooo(トリプルオゥ)によるトークと、とってもスペシャルなマッチングによるトークセッションが繰り広げられました。若手の職人さんたちも参加して、大盛況でした!

coconogaccoによるクリエーションの分解展


日本のファッションの未来を担う人材を育てる”coconogacco(ここのがっこう)”の生徒さんによるファッションにまつわる展示も行われていました。coconogaccoは、ファッションレーベル writtenafterwards のデザイナー山縣 良和氏が2008年に設立しました。山縣さん自ら運営、講師を務め、生徒と同じ目線で一緒に考え、ファッションを学ぶがっこうです。




高校生から86歳のおばあちゃんまで、老若男女問わずファッションの本質を学ぶ場を提供しています。「ここ」とは、場所を表す「ここ」であると同時に、個々人を表す「ここ」という意味が込められているそうです。


「どのような時代であろうとも、装うことの愛おしさを伝え、ファッションを通して社会に還元できるような創造性を育くむ事ができる学びの場所として、世界へと活躍の幅を広げる事ができるがっこうを作って行きたい」と山縣さんは語ります。素晴らしいクリエイターを輩出されているので是非WEBもチェックしてみてくださいね。

ハタオリマチの機屋さんとコラボするクリエイター


旧かんかん店内では、富士吉田市・西桂町の機屋さんと一緒にものづくりをしたことのあるクリエイターたちが揃って出店をしていました。かわいいだけでなくカッコイイデザインをテーマに発信するブランドAneqdot(アネクドット)のデザイナー堀田ふみさんに槇田商店とコラボしたUgai.、田辺織物の織機でお寿司の生地を開発したメゾン寿司舟久保織物と商品開発をしたgochisouや産地の生地で素敵な商品展開をしているGOOD OLD MARKETまで、若手クリエイターによるため息が出るくらい可愛い商品たちが並んでいました。





中でも目を奪われてしまったのが、光織物のワークショップブースで見つけたこちらのもみじ。なんと紋紙で作られたものでした!!柄のある織物のデザインを「紋意匠」と呼ぶのですが、その紋意匠を織るために必要なのが「紋紙(もんがみ)」です。紙に穴が空いているところは経糸が上がって、穴が塞がっているところは経糸が下がります。経糸と緯糸、どちらが織物の上面に出るかで織柄が表現されているのですが、その指示に必要なのがこの紋紙なのです。

この紋紙もみじは20代の若手織物職人さんが作ってきたそうで、みんなで驚いたそうですよ!やっぱり織物職人さんって、手先が器用ですねぇ。


ワイワイおしゃべりしていたら、国道をポニーが歩いて行きました。笑

こんな驚きの光景に出会えるのもハタオリマチならでは!?

中央まちかど公園で腹ごしらえ


またまた美味しい匂いが漂ってきたのは中心街のメインストリート。ここは、地元のイタリアンレストランかぎしっぽなどが出店するフードエリアです。季節の定食とジビエが楽しめるヤマワラウでは、炭火で20分ほどじっくり焼き上げるジューシーなソーセージがこんがりと焼かれていました。

お買物でいっぱいになったエコバッグと美味しそうなフードやドリンクを片手に、久しぶりの再会を笑顔で楽しむ姿がちらほら。そんなほんの些細な一コマに、人と笑顔で会える日々ってなんて幸せな日常だったんだろうと、嬉しさを噛み締めていたら少しだけ涙が出そうになりました。

ハタフェス恒例のクロージングライブ


ふと気づけば2日目も日が暮れて、限定50名のクロージングライブ「ハタオリマチニヒビクウタ2021」がスタート。田辺玄さん、森ゆにさん、そしてゲストの打楽器ユニットomu-tone(オムトン)を迎えたこちらのライブは、実は2019年に企画しつつも、直前の台風で実現しなかった舞台がひとつだそうです。素敵なライブ会場にもうっとり。素敵な会場装飾はChu-Buru-DECOさんがされているそうです。森ゆにさんの美しい歌声や、田辺玄さんの奏でるギターの音色に惹きこまれ、omu-toneの軽快な打楽器にワクワクしながら、楽しかったハタフェスの写真と共に2日間を回想しました。

田辺玄さん、森ゆにさんが作曲したハタオリマチをテーマにした曲「LOOM」も披露されました。ハタフェスプロデューサーであり、この産地を紹介するフリーペーパーLOOMを作ったBEEKの土屋誠さんが2016年に企画したLOOM発刊イベントで発表された楽曲です。森ゆにさんは美しい歌声で、ふいにフジファブリックの若者の全てを歌ってくださり、富士吉田市に関わる全ての方々の心を奪っていきました。

心が洗われる本当に素晴らしい時間をありがとうございました!

みなさん、今年のハタオリマチハタオリマチフェスティバルはいかがだったでしょうか?
2日間、たくさんの会場を回りましたが、全然回りきれませんでした!

また来年も行きたい!と想わせてくれるイベントの多さもハタフェスの醍醐味。

来年もハタフェスが開催できることを願っています。
会場でライブを堪能された方も来れなかった方も、写真家濱田英明さんの動画と共にLOOMをお楽しみください。


映像監督:濱田英明 音楽:田辺玄、森ゆに

次は、ハタフェスクリスマスでお会いましょう!

公式サイト:https://hatafes.jp
instagram:@hataorifes / FaceBook:@hatafesjp 

ハタオリマチフェスティバル2021
2021年10月30日(土)10-00-17:00
2021年10月31日(日)10-00-16:00
会場:小室浅間神社・中村会館・日本ステンレス工業富士吉田支店・下吉田商店街の空き店舗・新世界乾杯通り・中央まちかど公園 他
主催/山梨県富士吉田市・ハタフェス実行委員会
TEL: 0555-22-1111(富士山課)

【ハタフェスに参加していただいた皆様】(順不同略称)
つづり舎/kinari wood works、西島和紙工房、RENEW、Newtral、潟アンティーク/sara&smith
UTOPIA -ユートピア-、hammock style、monbus、MORI、hacomori、エルトップ、オヤマダ、田辺織物、舟久保織物、前田源商店、光織物、宮下織物、富士吉田織物協同組合、月ノ歩キカタ、AKITO COFFEE、豊鮨/fujinoma、NODO二川伊料理店、sundaysfood、amijok、ぺぺぺ似顔絵店、IL ST BIBITONE イルセントビビットーネ、cafe織水、カメリアニコティー、motonaga、atelier Rust、アトリエボンド、Tinytotroom.、靴工房YutaMitsumori、cocochi、HONEY STONE STORE by OKATAOKA、TORAYA EQUIPMENT、アトリエヨクト、PAPYRUS、仕草、WHW!、黒板当番、otanishop、SIWA、Poulpesympa(プルプサンパ)、富士山着物工房、etelä、styleofile/スタイルオブイル、mameritsuko、WOOLY、クラヤ、ふふふ桐生、OLN/井清織物、桐染(KIRISEN)、000(トリプル・オゥ)、レピヤンリボン、古橋織布有限会社、カネタ織物、槇田商店、フジチギラ、丸幸産業、富士桜工房、MEHOME WEAR 渡明織物 WATAAKI、Watanabe Textile、muto、テンジン、前田源商店、はらっぱ、イタリアンレストランかぎしっぽ & ビール居酒屋3Piece、mountain*mountain w/cafe flat、ロールケーキ専門店 クルル、ヤマワラウ、こいのぼり、marimo cafe&dining & icci KAWARA PRODUCTS、ボンシイク、tobira、holo shirts.、森口理緒、羽田忠織物、tapiiri、Basket Moon、サンデーブースのカメラ小屋、tel you (テルユウ)、TangDeng -タンデン-、露月、Ugai.、メゾン寿司 -MAISON SUSHI-、GOOD OLD MARKET、マチカドデツムギ隊、Aneqdot by Fumi Hotta + 北欧雑貨、うたたね、古着屋TRIANGLE、ふじよしだ定住促進センター、かえる組、aoya bags / VRANA、nocogou、mumea、gochisou、rumbe dobby、流しの洋裁人、ここのがっこう、フジヤマテキスタイルプロジェクト2021


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