ジャカードを知り尽くした吊り込み職人
野村機存所
吊り込み(つりこみ)などの機拵(はたごしらえ)をしている野村機存所の野村研才さん。複雑な模様を織り上げるジャカード織物は、経糸を一本一本を操って織るためにセッティングが必要です。その経糸を、操り人形のように自在に動かすための糸を「通じ糸(つうじいと)」といいます。野村さんは、ジャカード織機に掛けられた数千~一万数千本の経糸全てに対応する通じ糸を織機にセットする吊り込み、経糸すべてを通し直すひきこみ・おさぬきを行う職人です。織機には数千~一万数千本の経糸がそれぞれ、緯糸を通す道を作るために経糸を上げさせる道具である綜絖(そうこう)の小さな穴(綜目:あやめ)を通り、経糸切れを知らせるための部品、ドロッパーを通り、さらに筬(おさ)の細い隙間を通るようにして織機に仕掛けられています。
山梨ハタオリ産地の織物工場は、自宅兼工場でハタオリをしているため、それぞれ建物の高さが異なります。
また、ジャカード織物もメーカーによってピッチが異なりますので、各工場・各ジャカード織物に合わせて機拵をするのは至難の業です。ジャガード上部の口数や、おさの口数を確認し、ジャカード織機から設置部分までの高さや首の大きさを決めてメーター通し、首かけ、吊り込み、ひきこみ、おさぬきを行い、あやをひろう作業など、数千~一万数千本の糸と向き合います。もちろん、通じ糸も全て野村さんの手作り。通じ糸の高さが揃いやすく切れにくいスイス製の組紐タイプを使い、1本ずつチューブを被すことで糸が切れにくい工夫を凝らしています。
通常、1台のセッティングにだいたい1ヶ月程度かかるそうですが、野村さんは効率化を図るために17種類のジャカード機を作業場に保管しています。効率化を図るために、セッティング直前まで全て工房で準備を行い、あとは取り付けるだけの状態で現場に持っていくこともあるそうです。家で吊って持っていける職人さんは全国的にも大変希少な存在です。吊り込みでお困りの方は、野村さんまでお問い合せください!
もちろん、通じ糸も全て野村さんの手作り。通じ糸の高さが揃いやすく切れにくいスイス製の組紐タイプを使い、チューブをかぶして糸が切れにくくなるようにするなど工夫を凝らしています。
通常、1台に付き1ヶ月程度かかるそうですが、野村さんは効率化を図るために17種類のジャカード機をお持ちです。時にはセッティング直前まで全てご自宅で準備をして、現場では取り付けるだけの状態で持っていくこともありそうです。家で吊って持っていける職人さんは全国的にもいない大変希少な存在。吊り込みでお困りの方は、野村さんまでお問い合せください!
住所: 富士吉田市大明見4-11-31
電話: 0555-24-8488