2026.04.06
【後編】奄美大島の大島紬と泥染めを学びに行きました。
前回に引き続き、奄美大島研修2日目です。
この日は、奄美大島の龍郷町に工房を構える金井工芸にお邪魔しました。創業は1958年、島の伝統工芸である大島紬の染色工程を担う泥染めの工房です。奄美に自生する車輪梅(シャリンバイ)からつくる染料と、鉄分を多く含む泥田を使って染め上げる泥染めの技術を受け継ぎながら、島の自然とともに歩んできました。現在その仕事を担っているのが、二代目の染色家・金井志人さんです。近年、和装の需要が減るなかで泥染めの工房は島内でも数えるほどに減少しているそうです。そうした状況の中で、金井工芸では大島紬の糸染めだけでなく、ストールや衣服、アート作品など新しい表現にも取り組んでいます。国内外のブランドとの協働やワークショップなどを通じて、泥染めの魅力を広く伝える活動も続けています。今回この事業で、金井さんに何から何までお世話になり、前夜も美味しいお店にご一緒でき、一同金井さんと今日も一緒に過ごせること、そして泥染めを大変楽しみにしてやってきました。


工房内にあるショップスペースです。金井さんの感性が際立つ空間に、富士吉田メンバーは大興奮!オリジナルのストールやてぬぐい以外にもコラボレーションして生まれたスニーカーや、アート作品なども展示してあり、幅広くご活躍されている金井さんのお話を伺いました。泥染めの色に関しても、前日見学した大島紬のような深い黒色の印象が強かったので、テーチギのみ、テーチギ+泥染め、藍染+泥染めなど、華やかでありながら大地の自然を感じさせるさまざまな表情を見せる染色の面白さに触れました。

そして工房。この大きなカゴに詰め込んである木片が「テーチギ」です。この量を煮出し、染液にするそうです。これで1週間分だとか、、、

木片になる前のテーチギ。奄美大島の林業の方と協力し材料を手に入れているそうです。



大きなタンクにある染液の上澄み部分。ぷくぷくと泡が見えますね。

これがテーチギの染液。透き通った紅色がとてもきれいです。

テーチギにはタンニンが多く含まれており、これを煮出すと染液の表面に泡のようなアクが発生するそうです。


ここは染め場です。この大きな樽に染液を入れ、揉み込みながら糸や生地を染めます。

看板犬のクーちゃん。敷地内にある大きな木の下で穏やかな時間が流れていました。

工房内で各々持ち込んだ糸や生地を染めた後、敷地内にある泥田でいよいよ泥染め(鉄媒染)を行っていきます。カエルや虫も共存しているこの泥の池はなんともワイルドで、鉄分を含んだ独特な良い香りがしています。

一同、太ももまである長い長靴を履いて泥に入りながら泥を染み込ませていきます。泥の手触りも滑らかでずっと触っていたいし、この泥田に入るという感覚が幼少期を思い出し、もう楽しくて仕方ありませんでした。みなさん少年少女のように夢中になって泥遊び(泥染め)をしました。

そして泥染めを終えた糸や生地を、きれいな川の水で流します。この川は金井さんが見つけた洗い場であり、職人さんはそれぞれに自分だけの洗い場を持っているそうです。なので場所は非公開!

一日かけて染め終わったものたち。テーチギ、藍染、泥染めとかけ合わせて多様な色彩に染め上がりました!

木から染液を煮出し、天然の泥田で染め、きれいな川で洗う。すべての工程が奄美大島の自然から生まれる泥染めは、今まで体験したことのない感動を体中で感じました。富士吉田と、奄美大島。背景の異なる二つの地域が手を取り合うことで、これまでにない価値や表現が生まれるかもしれません。そんな期待を胸に、土地とものづくりの関係を見つめ直す小さな対話が始まっています。
泥染めをしたテキスタイルは、MEET WEAVERS SHOW 2025 INTERIOR & LIFESTYLEで発表され、多くの方々にご覧いただく機会が生まれました。

金井さん、また必ず奄美大島に伺いたいです。ありがとうございました!









