2017.05.16

ファクトリーショップで一味違ったショッピング


毎月第3土曜日、ファクトリーショップオープン

こんにちは、森口です。つい最近富士吉田市に行ってきたのですが、3度目にしてやっと、やっと、富士山にお目にかかれました!嬉しいですね。

それはさておき、すっかり暖かくなり散歩するには気持ちのいい季節になりましたね。新緑に包まれた山梨ハタオリ産地からも、なにやらうきうきする情報が。それは…

山梨ハタオリ産地である富士吉田市・西桂町に4月15日(土)、ハタヤさん直営のファクトリーショップがオープン!

テンジンファクトリーのバスタオル

毎月第3土曜日に、織物工場に併設されたショップで、工場オリジナルのファクトリーブランドなどの商品を手に取ることができます。さっそく山梨ハタオリ産地に行き、ファクトリーショップを覗いてきました!その様子をお届けしたいと思います。その前に、まずは山梨ハタオリ産地についてさっと紹介します。

織物のまち、山梨県富士吉田市・西桂町

1000年以上もの歴史を誇る織物のまち、山梨県富士吉田市・西桂町。まちを歩くとカタカタとハタオリの音が聞こえてきます。江戸時代には高級織物産地として知られ、伝統と技術を兼ね備えた山梨ハタオリ産地。そこで作られている生地は見た目も質感も逸品モノ。まちを見守る富士山の豊かな水とともに、ハタオリ産業を発展させてきました。山梨ハタオリ産地についてもっと知りたい方はこちら

富士山の恵みは富士吉田市・西桂町にとって欠かせないもの

ファッションには欠かすことのできない布。でもあまりにも布が身近にありすぎて、「生地ってどうやって作られるの?」なんて考えることはなかなかないですよね。実は私もつい最近まで、「布を作る」ことに関心を持ったことはありませんでした…。

そんな織物初心者にとって、ハタオリや布生地をぐっと身近に感じられる機会がこのファクトリーショップ。目の前に作っている人がいるなんてなかなかないことですよね。私も「製作者とお話をしながらモノを購入する」という経験をしてみたい!ということで、ファクトリーショップ初挑戦です。

今回私が訪れたのは、和と現代デザインのコラボで雑貨を展開する光織物と、リネン雑貨をつくるテンジンファクトリーです。

日本の伝統を現代のデザインに落とし込む光織物

最初に訪れたのは光織物さんです!

掛け軸に使われる生地や、和雑貨・雛生地などに使われるきらびやかな生地を作る光織物。金や赤などの糸を駆使し、非常に細かく華やかな柄を織っています。そんな光織物の技術と、デザイナーのコラボから生まれたファクトリーブランドがあります。

その名もkichijitsu。デザイナーの井上綾さんを迎え、「毎日が吉日」をテーマに、日本の縁起物をかわいらしいデザインで表現した小物を展開しているそう。ファクトリーショップではkichijitsuの小物や光織物ならではの和雑貨を展示していました!

光織物の加々美 好さん(左)と加々美 琢也(右)さん

さっそくファクトリーショップに行くと、工場の外に設置された白い台にパステルカラーの雑貨が並べられていました。白い台にカラフルな小物たちが映え、並んである雑貨たちを一目見ただけで、思わず「かわいい!」と叫んでしまいます。この日は日差しも暖かかったので、外でのんびりとショッピングするのはとても心地よかったです!

kichijitsuのかわいい小物たち

kichijitsuの人気商品は「GOSHUIN ノート」。御朱印ガールには必見です!ポップなデザインのなかに、富士山や招き猫、日の出などが表現されています。メモ帳として持ち歩くのもおすすめ。

私も一つ購入したのですが、最後まで「これにしよう!あ、でもこっちも捨てがたい…」と迷っていました(笑)。全部のデザインを集めたくなってしまいます。

富士山や獅子など、縁起ものをあしらった「GOSHUIN ノート」

御朱印をいただくと、表紙の可愛らしさと御朱印のかっこよさのギャップにやられてしまいます。富士吉田市には富士山信仰の総本山、富士山本宮浅間神社があります。ファクトリーショップを回ったあとは、ぜひ浅間神社をお参りして、御朱印をゲットしてください!浅間神社の迫力もすごいですよ。

御朱印をもらったら御朱印帳。なんともかっこよくなります。

GOSHUIN ノートとセットで持ちたいのが、「ごいっしょぶくろ」。GOSHUIN ノートを入れることができる大きさです!手帳や小物をいれたりすることもできます。紐をきゅっと結べば、きんちゃく袋のようにして使うこともできるのだそう。

GOSHUINノートと一緒に持ちたい「ごいっしょぶくろ」

そしてもう一つがお守り型の小物入れ、「おまもりぽっけ」。スマホもすぽっと入る大きさなので、スマホカバーにももってこいです。表と裏で柄が違ったり、紐の色がそれぞれ違うのもポイントです。

お守り型の小物入れ「おまもりぽっけ」。持ち歩くだけで運気が上がりそうです。

kichijitsuの小物は一つ一つ柄も違えば色も違います。プリントではなく、様々な色の糸が複雑に重なり合ってできている色や柄 は、ただかわいいだけでなく、柄の立体感や高級感も味わえてしまうんです!そしてカラフルな生地でやはり目立つのが、金色の糸。きらびやかな和雑貨を作る光織物ならではです。

一つ一つ手にとって見ると、細かいデザインがよくわかります!気づいたら私たちも真剣に見入っていました。

どれもデザインがかわいく、凝った作りなのでついつい見入っちゃいます。

 

光織物が作る伝統ある和雑貨たちも

kichijitsuの他に、光織物の古風な雑貨も揃えてありました。赤、金、緑などの色の糸を使って、柄を正確に織っていくには高度な技術が必要です。織物の凄さをかわいらしい小物で味わえるなんて贅沢ですよね!

光織物ならではの和雑貨。インテリアとしても活躍しそう。

商品だけでなく、一緒に展示されている小物にも注目です。雑貨の上には風止めとして糸が置いてありました!なかなかこんな量の糸は見ることができないので、これも貴重な体験でした。光織物らしく、金やオレンジ、ピンクなどの糸が置いてありました。

雑貨とともに飾ってある糸は絵になります。

ここまで個性豊かな雑貨を紹介してきましたが、ファクトリーショップの魅力は商品を直接手に取れることだけではありません。ハタヤさんと交流ができる場でもあるんです。

ハタヤさんとお話できるチャンス

ファクトリーショップのオーナーは、普段ハタオリをしているハタヤさん。商品を作っている人が目の前にいます。山梨ハタオリ産地について、ハタオリについて、布について、商品について…。疑問に思ったことを質問してみるのも勉強になります!自分で買ったモノについて知識が増えると、モノに対する愛情も湧いてきます。

笑顔でお話をしてくれる加々美 好さん。様々なお話を聞くことができました。

さらに光織物のファクトリーショップには、アウトレット商品として特別価格のGOSHUIN ノートが!学生の方も気軽に高級織物を手に取れる、ありがたいサービスです。プレゼントなどにも喜ばれそうですよね。

アウトレット商品は嬉しいサービス

高度な技術から作り出されるかわいい柄たち。ぜひ一度近くで見て織物の奥深さを味わってみてください。

ちなみに、ファクトリーショップへはこのポスターが目印です。ドンと構えた富士山と、2匹のおさるさんを見たらファクトリーショップのサインですよ!

このポスターが目印です

光織物さん、ありがとうございました!織物の魅力が少しわかったところで、続いてリネンの洋服や雑貨を作るテンジンファクトリーに行ってみたいと思います。

テンジンファクトリーにはリネンの魅力が満載

テンジンファクトリーのファクトリーブランドは「ALDIN」。上質なリネンと高い技術でリネン雑貨を展開しているブランドです。

光織物から車で数分、ファクトリーショップに到着!さっそく中に入ってみようと思ったところ…なにやら「SHOP コチラ」の張り紙に穴がたくさん開いています。この紙は一体何でしょうか?

ハタヤさんのこだわりがわかるパンチカード案内

実はこれ、「パンチカード」と呼ばれるもので、ジャガード織機という自動織機に使われるものだそう。穴一列が経糸、横糸一本に対応します。穴の有無によって、経糸の動きが決まるのだそうです。こんなところにもハタオリ産地ならではの遊び心が詰まっています!

白い扉の向こうには…

また一つハタオリについて詳しくなったところで、ようやくファクトリーショップへ。小さな家のような建物には白い扉が。さっそく開けてみると、白を基調とした店内に、リネン雑貨がとてもおしゃれに飾ってあります。まるでヨーロッパのお家に来たような感覚でした!

扉を開けるとまるでヨーロッパのお家に来たかのよう

木にかかっているのはリネンのバスタオル。インテリアのようになってしまうほど、素朴な雰囲気が滲み出るタオルです!どんなお家でもすっと馴染んでくれそう。

テンジンファクトリーのリネンタオル。真似したくなるレイアウト。

 

テンジンファクトリーのリネングッズ

テンジンファクトリーが織っているのはリネンの生地。リネンは「夏に使うもの」、「硬くてゴワゴワしてるから使いづらい」というイメージがありますが、実際のリネンはイメージとは異なるそう。リネンは夏は一枚で涼しく、冬は生地に空気が含み暖かくなるんだとか。そのため一年を通して使うことができるんです!

色合いや柄もたまりません

ベットリネンを触ってみたのですが、くるまりたくなってしまいました(笑)。それほど触り心地がよかったです。

壁にはリネンカーテンや洋服も展示されていました。カーテンや洋服も重ねて使えば冬でも防寒効果があるので、季節問わず使うことができます!体にも優しい天然のリネンは肌に触れても安心です。

素朴な風合いのリネンカーテンや洋服

さらにリネンは、はじめは硬いですが、使っていくうちにテロっとした風合いになるそうです!はじめはパリッと、使い込むとふわっとするリネン。年月がたつと表情を変えるカーテンなら、長く使いたくなります。

テンジンファクトリーのリネンカーテン。色も豊富です。

玄関を入って、目の前に置いてあるのがリネンのタオルやキッチンクロス。実は私、リネンのタオルをずーっと欲しいと思っていたんです!リネンは水をよく吸い、乾きやすいためタオルが臭わないという魅力があるそうなんです。「リネンのタオルって水を吸わなそう…」と思っていた私には衝撃でした。しかも、他のタオルと比べて薄いため、持ち歩きや収納にとっても便利。

一度使ったら離れなれないリネンタオル

特に水回りでは大活躍だそうで、テンジンファクトリーのキッチンクロスを使ったら離れられないという声も。デザインにもリネンの雰囲気を感じられる素朴さがあり、かけるだけで一気にキッチンがおしゃれになりそうです。

リネンの隠れたすごさ

タオルは「リネンは使えば使うほど柔らかくなる」ことが一目でわかります!下の写真は、左が新品のタオル、真ん中が程よく使ったタオル、右が使い込んだタオルです。確かに始めは形がしっかりとしていますが、使うたびに柔らかくなっています。

さらに見た目だけでなく、リネンは性能も変わるんだとか。使うたびに吸水力が増すそうです!リネンは奥が深いですね。

やわらくなるのが一目瞭然!色合いも変わっていきます。

私もついついキッチンクロスを購入してしまいました。使い込んで変化を楽しみたいと思います!

リネン織物についてもっと知りたい!

リネンの雑貨には魅力がたくさんあることがわかりました!でも…そもそもリネンって何からできてるの?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。そこで、リネンの原材料をご紹介。ファクトリーショップの玄関の端に、リネンの原材料がさりげなく置いてありました!皆さんも行ったら見てみてください。

リネンの原料であるフラックス

上の写真がリネンの原材料となる、フラックスと呼ばれる植物。この植物から糸が作られるなんて驚きです。フラックスをたたいて、中から繊維を取り出すそう。

さらに、工場の中にもお邪魔させてもらいました。私にとって、これが織機との初対面でした!ハタヤさんの工場は独特な雰囲気が漂っていました。

木の温もりと鉄の重圧感で独特な空気が漂う工場

織機は一見大きくずっしりとした印象を持ちますが、よく見ると複雑な造りをしています。織機を操るのがいかに大変かわかります。

織機の造りはなんとも複雑。

下の写真はチェック柄の生地を織っているところ。布になる前の糸たちは、透き通った布のようでした。「糸が寄り集まって布になる」ということを改めて実感しました!

どっしりとした機械でとても繊細な糸を扱います

テンジンファクトリーのファクトリーショップは、リネン雑貨だけでなく、ショップの中も楽しむことができます。ゆっくり時間が流れているショップや、気さくで優しいオーナー。ついつい長居して話し込んでしまいそうなファクトリーショップでした。

居心地がいいのでずっと居たくなります

見て、触って、話すショッピング

今回私が訪ねた2店のファクトリーショップで、私たちが普段何気なく使っている織物の奥深さを改めて感じました!商品を見て、実際に手にとって風合いを確かめるいつものショッピングに加え、作り手との対話を楽しむ新たなショッピングの仕方はとても新鮮です。

作り手「これはこういう風に作ったからこうなったんだよ」

私「へぇ、そうなのか!」

こんな発見ができるのもファクトリーショップだからこそ。商品の凄さを知った上で「じゃあこれを頂きます!」と言うのは、また一味違います。皆さんもぜひ、山梨ハタオリ産地のファクトリーショップで織物に触れ、ショッピングを楽しんでみてください!

※不定期の為、詳しい情報は各社へお問合せください
※工場見学をご希望の方は予めご予約をお願いします

kichijitsu/光織物
山梨県富士吉田市松山1-4-13
電話 0555-22-1384 FAX0555-72-8133

ALDIN/テンジン
山梨県富士吉田市下吉田7-29-2
電話 0555-22-1860 FAX0555-23-8124


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富士吉田市・西桂町までのアクセス

  • 東京から電車
    富士吉田市へ
    新宿駅-(JR中央本線1時間40分、特急60分)-大月駅-(富士急行線50分)-「富士山駅」「月江寺駅」「下吉田駅」
    西桂町へ
    新宿駅-(JR中央本線1時間40分、特急60分)-大月駅-(富士急行線35分)-「三つ峠駅」

    東京から高速バス
    富士吉田市へ
    バスタ新宿-(中央高速バス【新宿~富士五湖線】1時間45分)-「中央道下吉田バス停」または「富士山駅バス停」
    西桂町へ
    バスタ新宿-(中央高速バス【新宿~富士五湖線】1時間40分)-「中央道西桂バス停」

    東京から車
    富士吉田市へ
    東京-(中央自動車道90分)-河口湖IC
    東京-(東名高速道路90分)-御殿場IC-(国道138号山中湖方面20分)須走IC(東富士五湖道路25分)-富士吉田IC
    西桂町へ
    東京-(中央自動車道80分)-都留IC-国道139号線富士吉田方面20分