世界最高峰バレエダンサー×郡内織物
日仏友好160周年を記念してパリを中心に開催された『ジャポニスム2018』で行ったプロジェクト「伝統と先端と〜日本の地方の底力〜」から生まれたコスチュームが、山梨県甲府市の劇場で行われるバレエ公演[Paris Ballet LEGENDS]に先駆け、富士吉田にやってきました!
2018年7月、1,000年以上続く織物産地であるハタオリマチ(山梨県富士吉田市・西桂町)をアニエスさんとフレデリックさんは訪れてくださり、国内外の一流メゾンから高い評価を得ている織物工場8社から、バレエ公演で使われる衣装の織物を厳選してくださいました。アニエスさんは、世界最高峰パリ・オペラ座バレエ団の元エトワールで、名だたる劇場で活躍した「20世紀で最も偉大なバレリーナの一人」と言われています。
アニエスさんは、当初『海賊』の第一幕のパ・ド・ドゥのためのコスチュームの他『ドン・キホーテ』コスチューム『幻想のカササギ』の4体衣装をデザインしてくださる予定でしたが、産地の生地に魅了されて急遽孔雀柄の生地を使ったコスチューム『パライバ・パオン』を含む全6体のコスチュームをデザインしてくださいました!
衣装を彩る織物は、富士山の伏流水を使って鮮やかに染め上げた細い糸を使い、繊細な模様を織り上げています。孔雀の羽をモチーフにした重量感と艶のある布、見る角度で色が違って見えるオーガンジー、表面が赤で裏面が黒いシルクタフタなど、高度な技術力を要する先染め織物産地ならではの布ばかりです。アニエスさんがデザインするコスチュームは近くで見て美しいだけでなく遠くから見た時の効果も顧慮。ダンサーとしてのキャリアを活かし、自ら試着することでダンスの細かな動きで細部をチェックしている為、踊りやすさが十分に考慮されており、ダンサーからも好評を得ています。 日本とフランスの伝統と革新が融合したコスチューム。アニエスの溢れ出るイマジネーションを間近で感じることのできる素晴らしい衣装の展示でした!
衣装展の他、アニエスさんのコスチュームに使われた織物のご紹介や、産地や織物の歴史がわかる展示会も行われました。
更に、産地の商品をお手にとっていただけるグッズ販売も開催!アニエスさんも靴を気に入って試着してくださったり、衣装でもお使いになられた生地に触れたりしながらお買物を楽しんくださいました。
オリキョーを盛り上げてくれている地域おこし協力隊ガールズ
公演の様子はNHK等の全国版でも放送され、山梨ハタオリ産地で製造されている織物をご紹介いただきました!山梨ハタオリ産地の織物は、タテ糸とヨコ糸を別々に染め上げてから細い糸で織り上げていきます。シャンブレー効果と1本1本の糸に光が当たることで様々な表情を魅せるので、ライティングされた舞台で舞うダンサーの衣装には非常に相性が良く、改めてスター性の高い織物だなぁと感じました。
素晴らしい機会をありがとうございました!
山梨ハタオリ産地の織物で作られた
アニエス・ルテステュ コスチューム展
2019年8月8日(木)13:00-17:00
会場:富士山ホール・富士吉田市民会館 1Fロビー
住所:〒403-0013 山梨県富士吉田市緑ケ丘2丁目5−23
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アニエス・ルテステュがデザインした
コスチューム生地に厳選された織物工場
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株式会社オヤマダ
山梨県富士吉田市松山5-12-5
0555-24-1511
株式会社川栄
山梨県南都留郡西桂町倉見288
0555-25-2226
デルタプロジェクト
山梨県南都留郡西桂町小沼1784
0555-25-2002
有限会社田辺織物
山梨県富士吉田市富士見4-6-45
0555-22-0039
光織物有限会社
山梨県富士吉田市松山1-4-13
0555-22-1384
フジチギラ株式会社
山梨県富士吉田市下吉田2-25-26
0555-22-2152
株式会社 槙田商店
山梨県南都留郡西桂町小沼1717
0555-25-3111
宮下織物株式会社
山梨県富士吉田市新屋1515-1
0555-22-8870
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-アニエス・ルテステュさん Agnès LETESTU-
衣装デザイナー、エトワール、芸術文化勲章受容者
パリ・オペラ座のエトワールかつ国際的スター(16歳で入団)、フランス共和国芸術文化勲章受章者、20世紀で最も偉大なダンサーとも言われている。2013年10月10日の「La Ⅾame aux camélias」講演をもってパリ・オペラ座を引退。しかしダンサーとしてのキャリアは今でも続けている。更には、デザイナーや指導員を勤め、「エトワールのアポジ」や2018年3月に日本で上映された「パリ・オペラ座エトワール、アニエス・ルテストゥ自伝」などのドキュメンタリーに主人公として出演するなど、様々な形で活躍されている。 2017年にはAlfalibra社 主催の「Paris Ballet Legends」香港公演の主役として出演。
エトワール・ダンサー時代にオペラ座バレエ団のために300点におよぶ『天井桟敷の人々』の衣装を担当した他、マニュエル・ルグリが芸術監督を務めるウィーン国立バレエ団で2017年に上演された『マリー・アントワネット』のために、150点の衣装をデザイン。オペラ座で2008年に初演されたジョゼ・マルティネス創作『天井桟敷の人々』の衣装300点をデザインしている。
-フレデリック・フォンタンさん Frédéric FONTAN-
芸術監督・キュレーター ALFALIBRA社 創設者・監督
パリと香港を拠点とするALFALIBRA社の創設者。元ダンサーでもあり、パリ・オペラ座のダンサーによる芸術企画や講演、フランス内外での大規模イベントなど、多くの企画の先頭に立っている。 ALFALIBRA社は2016年に香港支店を開設することによりアジアにも進出。2017年5月、パリ・オペラ座のダンサーや世界各地のトップダンサーによる「Paris Ballet Legends」公演が開催され、高く評価された。今回の日本公演も氏の功績により実現。 ALFALIBRA社は他にも多くのブランドや、ジャン=シャルル・ドゥ・カステルバジャックのような有名クリエイターとコラボしてイベントを企画している。 ALFALIBRA社の業務は主に、A – Art(芸術), B – Brand (ブランド), C – Club (クラブ) という三つのカテゴリーに分かれている。 Art (芸術): 芸術的な取組、パリ・オペラ座、テアトロ・レアル(マドリード王立劇場)、ベルリン・オペラハウスとのコラボを行い、 圧巻な公演やイベント、多種多様な展覧会を実現。 Brand (ブランド): エルメス、ヒューゴボス、ジャン=ポール・ゴルチエなどの高級ブランドのプロモーションやイベント企画。 Club (クラブ): デザイナーやアーティストのネットワークを構築し、コラボしやすい環境を高める。