山梨県より、郡内織物の新たなプロモーションブック「LOOMSCAPE -YAMANASHI TEXTILE BOOK-」 が発刊されました。本冊子は、郡内織物産地の魅力を国内外へ発信するとともに、デザイナーやクリエイターと産地を直接つなぐことを目的に制作されたものです。
本冊子タイトルの「LOOMSCAPE」は、織機を意味する「LOOM」と、風景を意味する「SCAPE」を紡ぎ合わせた言葉です。産地の歴史や技術に加え、富士山麓の自然環境、織物が生まれる土地の風景、人々の営みまでをビジュアルとともに収録し、機屋さんの仕事そのものを“風景”として伝えたいという想いが込められています。

1000年の歴史を、未来のクリエイションへ
山梨県の富士山麓に広がる郡内地域は、1000年以上にわたり織物産業を育んできた、日本有数の繊維産地です。明治から昭和初期にかけては、「甲斐絹(かいき)」と呼ばれる薄手の高級絹織物を盛んに生産し、その名は全国に広く知られていました。当時の甲斐絹は、谷崎潤一郎、太宰治、夏目漱石らの文学作品にも登場するなど、日本の美意識を象徴する存在として人々の記憶に刻まれてきました。
甲斐絹によって培われた技術は、時代とともに姿を変えながら、今もなお産地の機屋さんに脈々と受け継がれています。現在の郡内地域では、服地や裏地、ネクタイ地、ストール地、さらにはインテリア用生地に至るまで活躍の場を広げ、先染め・高密度を特長とする多彩なテキスタイルが国内外で高く評価されています。

産地と世界を直接つなぐ一冊
一方で、流通構造の変化により、産地の技術や背景がデザイナーへ直接伝わりにくいという課題も抱えていました。
そこで、本冊子ではその課題を解消し、産地と世界のクリエイターをダイレクトにつなぐ新たな窓口として、トップデザイナー向けのビジネスマッチング用プロモーションブックと、一般消費者向けプロモーションブックの2種類の「LOOMSCAPE」を制作しました。
ビジネスマッチング用プロモーションブックは日本語・英語併記で構成され、国内外のトップデザイナーやファッションブランド、建築家などへ直接配布し、機屋さんとの新たなコラボレーション創出を目指しています。
また、生地サンプルページには各事業者へ直接アクセスできるQRコードを掲載。「MEET WEAVERS」のWEBサイトを通じて、デザイナーが産地とダイレクトにつながる仕組みを構築しています。

一般消費者向けプロモーションブックは日本語・英語・韓国語併記で構成されており、感度の高いクリエイターや一般消費者に向けて産地の魅力を広く発信しています。あわせて、韓国・ソウルで開催される「Seoul Living Design Fair 2026」をはじめ、国内外の展示会等でも配布されています。

「LOOMSCAPE」をきっかけに、この産地から新たなプロジェクトやコラボレーションが生まれていくことが期待されます。
■郡内産地の歴史について http://hatajirushi.jp/history
■郡内産地の織物の特徴 http://hatajirushi.jp/feature
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発行元 山梨県 産業政策部 産業振興課 地場産業振興担当
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