東京造形大学デザイン学科テキスタイル専攻の名誉教授 大橋 正芳さんが注目する、全国のテキスタイルをはじめとした展示紹介コラムです。「テキスタイル老師ぶらり旅」略して「テキぶら」どうぞお楽しみください。

2018.06.25

日本橋で富山な夜、でした


6/20、「日本橋とやま館」で毎月開催されるセミナー“クリエーターズトーク”の第20回「富山のアート&デザインの未来」があり、桐山登士樹×川上典李子のお話を聞いてきました。
デザインプロデューサー桐山さんは、富山県総合デザインセンターに1999年の開設以来関わる現所長、富山県美術館副館長、工芸都市高岡クラフトフェスティバルアドバイザーなど富山と縁が深い方で、ジャーナリスト川上典李子さんも国際北陸工芸サミット「U-50 国際北陸工芸アワード」選考委員、「富山デザインコンペティション」の審査委員。お二人話は、むしろ桐山さんの自己紹介のようです。

桐山さんが用意した画像には鈴木マサルさんの“富山もよう”がしばしば登場。そして会場のご本人(上の画像には入っていないけど私の右隣にどーんと座っているのだ)にマイクが渡されて3人のトークとなったのです。
下の画像は桐谷さんのFacebookから拝借したもので、6月の“インテリアライフスタイル”に初出展した富山デザインブースのパネルとパネルをデザインした鈴木さんです。模様のモチーフは富山県総合デザインセンターから生まれた製品の数々で、世界的ヒット商品もあります。

鈴木さんも「富山デザインコンペティション」の審査委員の一人で、代々木八幡のCASEギャラリーで「富山もよう展」を開催中に川上さんが“富山もよう”について『FIGARO』で詳しく紹介・・・おや、ギャラリーのオーナー湯川年希さんが私の左隣に座っています。今夜は特に富山が濃厚な日本橋ですね。

プロダクトデザインの登竜門「富山デザインコンペティション」やグラフィックデザインの登竜門「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」を続けてきた富山で2017年に開館した富山県美術館(Toyama Prefecture Museum of Art and Design)は、「アート&デザイン」を掲げる国内唯一の公立美術館だそうです。永年切望されてきたデザインを包括する美術館が富山で“実現してしまった”わけが、お二人のお話から理解できるような気がしました。その開館記念の「素材と対話するアートとデザイン」展には須藤玲子さんも出展。須藤さんは「U-50 国際北陸工芸アワード」の選考委員でもあり、富山に関わりの深い東京造形大学なのですね。

富山は、コンペやワークショップやセミナーを通して「企業とデザイナーの出会いの場」をつくり、ヒット商品を生み出す「ロングライフな関係」を構築、富山の素材と技術で世界を目指しています。県ぐるみの活動には及びませんが、富士吉田・西桂の活動がすでに同等の成果を挙げているわけですから・・・次に目指すは世界!!ですね。

 

 


この記事を書いた人



  • 大橋正芳

    東京造形大学でテキスタイルデザインを学んで4年+卒業とともに大学に残って46年=50年の造形大人生。リタイアしても「こんなの見てきたよ!」をまだまだ続ける老元教師。日本の手仕事を守り、伝える「手仕事フォーラム」の共同代表。

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